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2026年9月更新 まず契約書を出す。話はそこから

1年を超えていれば、30日前の予告が要ります

辞めるときも、切られるときも、1年が境目です。

3あなたが当たる型
1年超この契約だけ使える条文がある
給付離職理由で待期が変わる

契約書の「契約期間」を見て、自分がどれか決める

契約書の書き方あなたの型使える根拠いつ辞められるか
「期間の定めなし」無期雇用民法627条1項申し入れから2週間で終了
「2026年4月1日〜2027年3月31日」など
1年を超える期間
有期・1年超労働基準法137条契約の初日から1年を過ぎていれば、いつでも申し出て退職できる
「3か月更新」「6か月更新」など
1年以下の期間
有期・1年以下(派遣に多い)民法628条137条は使えない。やむを得ない事由があるときか、会社と合意したとき

労働基準法137条は「その期間が一年を超えるものに限る」と書かれています。3か月契約を何度更新しても、1つ1つの契約は3か月なので当てはまりません。ここを混同した説明が多いので注意してください。

★「1年たてば辞められる」は、1年を超える契約を結んだ人だけの話です。3か月更新を4回続けて1年たっても、条文上は当てはまりません。1つ1つの契約が3か月だからです。

★「次の更新はない」と言われた人は、別の条文です。1年を超えて雇われているなら、雇止めは30日前までに予告しなければならないことがあります。そして理由の証明書を請求できます。請求されれば会社は遅滞なく交付しなければなりません(厚生労働省告示)。口頭で「契約満了だから」と流されたまま終わらせないでください。→ 雇止めのルールへ

「派遣だから途中で辞められない」「試用期間中は辞めにくい」。どちらも正確ではありません。ただし正社員とは手順が違います。

このページの内容
  1. 自分がどれか判定する
  2. 「次の更新はない」と言われたとき
  3. 断られることがある
  4. 最初に確認する3点
  5. 有期契約の場合
  6. 派遣の場合
  7. 試用期間の場合
  8. 失業給付の扱い

自分がどれか判定する

上の表のどれに当たるかで、この先は変わります。まだ契約書を見ていないなら、そこからです。

「次の更新はない」と言われたとき

ここからは②の人、つまり自分では続けたいのに、会社から更新しないと言われた人向けです。

まず押さえるところ。契約期間が満了して更新されないことを「雇止め」といいます。解雇とは別の扱いですが、会社が何をしてもよいわけではありません。厚生労働省が告示で基準を定めていて、次の3つが書かれています。

有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準(厚生労働省告示)

項目内容あなたが使えること
雇止めの予告契約締結時にその契約を更新する旨を明示していた有期労働契約(1年を超えて継続して雇用している場合に限る)を更新しない場合は、少なくとも契約の期間が満了する日の30日前までに、その予告をしなければならない「来月で終わり」と急に言われたら、日数を数える。1年を超えて働いていて、更新すると言われていたなら、30日前の予告が要る場合がある
雇止めの理由の明示雇止めの予告後に労働者が雇止めの理由について証明書を請求した場合は、遅滞なくこれを交付しなければならない。雇止めの後に労働者から請求された場合も同様請求すれば、理由を書面で出させられる。しかも雇止めのあとでも請求できる。もう辞めたあとでも遅くない
契約期間についての配慮契約を1回以上更新し、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働者との契約を更新しようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じて、契約期間をできる限り長くするよう努めなければならない更新のときに「また3か月ですか」と聞ける根拠になる

出典:厚生労働省・佐賀労働局「『有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準』について」(2026年9月22日確認)。対象になるのは、1年以下の契約が更新・反復更新されて通算1年を超えた場合、または契約期間が1年を超える場合です。

★いちばん効くのは、2つめの「雇止めの理由の証明書」です。
口頭だと、会社は「契約期間が満了しただけ」と言います。書面で出させると、理由が固定されます。 そのあと理由を変えるのは難しくなりますし、その紙は、離職票の離職理由に納得がいかないときの材料にもなります。
電話でそのまま言う言葉:「雇止めの理由について、証明書を交付してください。」 これだけで足ります。理由を説明する必要はありません。断られたら、「基準で遅滞なく交付すると定められています」と付け足してください。
→ 離職票の理由に納得がいかないとき(判定するのはハローワークです)

よくある切られ方と、そのときに言うこと

「契約満了だから、理由はない」と言われた

理由が無いということはありません。更新しないと判断した理由があるはずです。証明書の請求は、理由の有無を問わず「請求されたら交付する」形で定められています。まず請求してください。

更新の1週間前に、突然言われた

日数を数えてください。1年を超えて継続して雇用されていて、契約時に更新する旨が明示されていたなら、30日前までの予告が必要とされています。足りない日数があるなら、その点を書面で指摘してください。

もう辞めたあとで、離職票の理由に納得がいかない

まだ請求できます。雇止めの後に労働者から請求された場合も同様、と定められています。証明書を取ってから、ハローワークで離職理由の確認を受けてください。

「更新しないなら自己都合で出して」と言われた

その場で書かないでください。自分から辞めたことにすると、失業給付も国民健康保険料の軽減も扱いが変わります。理由の証明書を先に取ってください。

ここまでが、会社との間で使える手続きです。そのうえで、更新されると期待してよい状況だったのに切られた、という争いになる場合があります。雇止めが認められるかどうかの判断は、労働契約法第19条で法定化されています(厚生労働省「労働契約法改正のあらまし」に「『雇止め法理』の法定化(第19条)」として掲げられています)。ここから先は交渉と判断が入るので、弁護士の領域です。

派遣・契約社員は断られることがある

先に、いちばん詰まりやすいところを書きます。期間の定めがある契約の「途中解除」は、民間の退職代行では扱いきれないことがあります。

理由は単純です。途中で辞めるには「やむを得ない事由」(民法628条)に当たるかどうかを会社とすり合わせる必要があり、これは交渉だからです。弁護士でない者が報酬を得て法律事件について交渉することは、弁護士法第72条で禁じられています。だから民間の業者は「伝える」ところで止まります。

あなたの状況で、頼める先が変わる

あなたの状況自分で言えるか民間(伝えるだけ)労働組合弁護士
更新しないと伝えるだけ(次の更新日で終わり)言える。代行を頼む必要がない場面○○○
期間途中だが、会社も納得している(出口3の合意)言える○○○
期間途中で、会社が渋っている難しい×(交渉になる)△○
損害賠償をほのめかされた難しい××○
未払い残業代・給与がある難しい××○

○×は法律上できる範囲の整理です。実際の対応範囲は各社の公表内容をご確認ください。

申し込む前に、この一言で確認できます。
「有期契約の期間途中です。更新を待たずに辞めたいのですが、対応できますか」
ここで「対応できません」「弁護士をご紹介します」と返ってくるなら、その業者では扱えない案件です。払ってから断られるより、先に聞いたほうが早い。

費用の水準は運営元で分かれます。

運営元でいくら違い、どこまでやってくれるか

一般の退職代行
(民間企業)
労働組合が運営弁護士
費用の相場20,000〜30,000円25,000〜30,000円50,000円〜+成果報酬
会社への連絡の代行○○○
期間途中の解除の主張×△○
損害賠償を持ち出されたときの対応××○
未払い残業代の請求××○

出典:退職代行Jobs 公式サイト(2026-09-17 確認)。費用の相場は同社の調べによる公表値です。○×は法律上できる範囲の整理です。

2万円台で頼んで断られると、結局もう一度払うことになります。更新を待てる状況なら、そもそも代行は要りません。「期間途中で、会社が渋りそうか」だけで決めてください。

最初に確認する3点

契約書・労働条件通知書を出す

①期間の定めの有無。「期間の定めなし」なら無期雇用で、正社員と同じ扱いです。契約社員でも無期のことがあります。
②契約期間と更新の有無。いつからいつまでか。更新回数と通算期間。
③雇用主は誰か。派遣の場合、雇用主は派遣元(派遣会社)です。就業先の会社ではありません。

この3点が分からないまま相談しても、答えが定まりません。契約書が手元にない場合は、雇用主に交付を求められます。

有期契約の場合

期間の定めがある契約は、満了まで働くのが原則です。そのうえで、条文に3つの出口が書いてあります。

出口1:やむを得ない事由(民法628条)

条文はこうです。「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる」(民法第628条)。「直ちに」です。2週間も待ちません。

一般に挙げられるのは、本人の病気やけが/家族の介護/ハラスメント/契約書に書かれた仕事や勤務地と実際が違う/賃金が支払われない、といった事情です。ただし同じ条文に「その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」とも書かれています。ここで会社が損害賠償を持ち出してくることがあります。

出口2:契約の初日から1年(労働基準法137条)

「期間の定めのある労働契約(…その期間が一年を超えるものに限る。)を締結した労働者…は、民法第六百二十八条の規定にかかわらず、当該労働契約の期間の初日から一年を経過した日以後においては、その使用者に申し出ることにより、いつでも退職することができる」(労働基準法第137条)。

読み落としてはいけないのが「その期間が一年を超えるものに限る」です。3か月更新の派遣は、通算で何年働いていても、1つの契約が3か月なので当てはまりません。「1年たてば辞められる」と書いてあるページを見て動くと、派遣の人は外れます。

出口3:合意(実務ではこれが一番多い)

条文を持ち出すまでもなく、会社が「分かりました」と言えばその日で終わります。実務の大半はこれです。次の更新をしないと伝えるだけで済むことも多い。もめるのは、辞めさせたくない事情が会社側にあるときだけです。

つまり「絶対に辞められない」ということはありません。ただし、無期雇用の「2週間前」とは根拠が違います。ここを混同すると、話がこじれます。

ここは法的な根拠を示して主張する場面です。「やむを得ない事由」(民法628条)に当たるかどうかは、会社と見解が分かれます。会社から損害賠償をほのめかされる、契約と実際の仕事が違う、残業代が支払われていないといった事情があるなら、交渉の主体が変わります。

期間途中の解除を、法的根拠を示して主張する

「やむを得ない事由」の当てはめや、損害賠償を持ち出された場合の対応は、弁護士でなければ扱えません。未払い分の請求まで含めて相談できます。相談は無料です。

料金・対応範囲は公式サイトの公表値です。法律事務は弁護士のみが行えます。相談は無料。広告(PR)を含みます。

→ 進め方

派遣の場合

派遣は関係者が3者います。雇用契約は派遣元と結んでいるため、退職の申し出は派遣元に行います。

・就業先(派遣先)に直接「辞めます」と言わない。順序が逆になり、話が混乱します
・契約期間の途中か、更新のタイミングかで扱いが変わります。更新しない意思表示は、期間途中の解除より簡単です
・就業先との相性が理由なら、派遣元に就業先の変更を相談する選択肢もあります。辞める以外の解決があるのはこの形態の利点です
・ハラスメントがある場合は、派遣元に申告する。派遣元にも防止措置の義務があります

→ ハラスメントがある場合

試用期間の場合

試用期間中でも、雇用契約は成立しています。だから退職も通常の手順で行えます。無期雇用であれば、申入れから2週間で終了できるとされています。

「試用期間中に辞めると経歴に傷がつく」と言われることがありますが、短期在籍の扱いは書き方で整理できます。

派遣・契約・試用期間で、進め方が変わる

派遣・契約・試用期間など、形態によって対応が変わります。相談は無料です。

料金・対応範囲は公式サイトの公表値です。法律事務は弁護士のみが行えます。相談は無料。広告(PR)を含みます。

→ 入社直後の退職/短期離職の書き方

失業給付の扱い

雇用保険の基本手当は、離職理由と被保険者期間で扱いが変わります。ここは辞め方の時点で決まってしまう部分です。

・自己都合退職:待期期間の後に給付制限がつくのが原則
・契約期間の満了で、更新を希望したが更新されなかった場合:扱いが自己都合と異なることがあります
・被保険者期間の要件:離職前の一定期間に、必要な月数の加入が要ります。短期間で辞めると要件を満たさないことがあります

個別の判定はハローワークが行います。離職票の離職理由に納得できない場合は、異議を申し立てられます。

いくら入るのか

ここがいちばん知りたいところなのに、「人による」で終わっている記事が多い場所です。計算式は厚生労働省が公表しているので、金額まで出します。

まず「賃金日額」を出します。離職前6か月の賃金総額 ÷ 180日。月給25万円なら、250,000円×6か月÷180日=8,333円です。

月給別に、失業給付が1日いくらになるか(30〜44歳・当サイト計算)

離職前の月給賃金日額基本手当日額90日分給付率
180,000円6,000円4,683円421,470円78%
200,000円6,667円5,037円453,330円76%
250,000円8,333円5,776円519,840円69%
300,000円10,000円6,307円567,630円63%
350,000円11,667円6,630円596,700円57%
400,000円13,333円6,744円606,960円51%

賃金日額=離職前6か月の賃金総額÷180日。基本手当日額は厚生労働省「基本手当日額の計算式及び金額」(令和8年8月1日から)の式で計算しました。賃金日額5,480円以上13,490円以下はy=0.8w−0.3{(w−5480)/(13490−5480)}w、それを超えると y=0.5w です。90日分は、自己都合で被保険者期間10年未満の場合の給付日数で計算した当サイトの試算です。2026年9月18日に確認しました。

いちばん見てほしいのは、右端の給付率です。「失業保険は6割」と書いてある記事をよく見ますが、6割になる人はほとんどいません。月給18万円なら78%、月給40万円なら51%。給料が低い人ほど率が高くなる仕組みです。厚生労働省の式が、低い層を8割、高い層を5割に寄せているからです。

だから「6割だと思っていたら少なかった」も「6割だと思っていたら多かった」も、どちらも起きます。自分の月給の行を見てください。

上限があります。2026年8月に上がりました

どれだけ給料が高くても、1日あたりの上限があります。この上限は毎年8月1日に改定されます。

基本手当日額の上限額(令和8年8月1日から)

離職時の年齢賃金日額の上限基本手当日額の上限2026年7月まで90日分
29歳以下14,900円7,450円7,255円670,500円
30〜44歳16,540円8,270円8,055円744,300円
45〜59歳18,220円9,110円8,870円819,900円
60〜64歳17,400円7,830円7,623円704,700円
下限(全年齢)3,203円2,562円2,411円230,580円

出典:厚生労働省「令和8年8月1日からの基本手当日額等の適用について」および「雇用保険の基本手当(失業給付)を受給される皆さまへ」。2026年9月18日に確認しました。90日分は当サイトの計算です。上限額は毎月勤労統計の平均定期給与額の増減により、毎年8月1日に改定されます。

ネットに残っている「29歳以下は7,065円」は、2年前の額です。2026年8月1日から7,450円になりました。90日分なら670,500円。古い記事の数字で計画を立てると、そのぶんずれます。

なお、90日というのは自己都合で被保険者期間が10年未満の場合の日数です。契約期間の満了で更新を希望したのに更新されなかった場合は、日数も給付制限の扱いも変わることがあります。ここは離職票の離職理由コードで決まるので、届いたらまず番号を見てください。

→ 給付と手続き/退職後の手続き

派遣・契約・試用期間の退職ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド