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2026年9月更新 採用側の意図から逆算

「なぜ辞めたんですか」に
何と答えるか

本音を言えば「うちでも同じ理由で辞める」と思われる。作り話は深掘りで崩れる。使うのは3つ目の道です。事実は変えず、語る側面だけを変える。

5つの本音を言い換える
3点で答えを組む
15秒で結論まで言う

面接官が退職理由を聞くのは意地悪ではありません。確かめているのは1つだけです。「同じ理由で、うちも辞めないか」。ここに答えていれば通ります。そして、あなたの理由はたぶん珍しくありません。人間関係で辞めた人は男性9.0%・女性11.7%。面接官も、同じ統計の中にいます。

このページの内容
  1. 本音の言い換え5パターン
  2. 実際みんな何を理由に辞めているか
  3. 言い換えないほうがいい理由もある
  4. 落ちる型
  5. 深掘りされたときの受け方
  6. 他に聞かれる4つの質問
  7. 答えの組み立て方
  8. 逆質問で何を聞くか
  9. 一人でできる練習

本音の言い換え5パターン

原則は1つだけです。不満を語らず、実現したいことを語る。嘘はつきません。事実は変えず、語る側面を選ぶだけです。

本音は変えずに、面接で言う言葉だけを変える

本音このまま言うと落ちる面接で言う言葉なぜ通るのか
上司と合わなかった「上司と合わず、人間関係が理由です」「評価の基準が上長の裁量で決まる職場でした。基準が明示される環境で成果を出したいと考えました」人ではなく仕組みの話にしている。相手を責めていないので「うちでも揉めそう」と思われない
残業が多すぎた「残業が月80時間で限界でした」「繁忙期の対応が属人化していて、改善の提案が通りにくい体制でした。仕組みから関われる仕事に移りたいと考えました」「うちも忙しいですよ」と返されない。量ではなく構造の話にしている
給料が上がらない「給与が上がらないからです」「成果と報酬の連動が見えにくい制度でした。評価基準が公開されている環境で働きたいと考えました」金額そのものではなく納得感の話にしている。「お金だけが目的」に見えない
評価されなかった「正当に評価されませんでした」「担当範囲が固定で、幅を広げる機会がありませんでした。もう一段上の役割に挑みたいと考えています」被害者の立場に立たない。自分が何をしたいかで終わっている
会社の先が不安「会社の業績が悪くて」「主力事業を縮小する方針が示され、自分が伸ばしたい領域と離れました」事実として述べているだけで、悪口になっていない

共通するのは ①前の会社を悪く言わない ②「〜が嫌だった」ではなく「〜をしたい」で終える ③嘘はつかない の3つです。

ハラスメントや健康上の理由など、事実として重いものがある場合は、詳細を語らず「働き方を見直す必要がありました」で止めて構いません。踏み込んで聞かれない限り、それ以上は話さなくて不利にはなりません。

実際、みんな何を理由に辞めているか

言い換えを考える前に、数字を見ておいてください。自分の理由が特殊だと思っていると、言葉が固くなります。

転職した人が前の職場を辞めた理由(令和6年・転職入職者)

理由男女
その他の個人的理由20.2%24.3%
定年・契約期間の満了14.1%10.7%
給料等収入が少なかった10.1%8.3%
職場の人間関係が好ましくなかった9.0%11.7%
労働時間、休日等の労働条件が悪かった8.6%12.8%
会社の将来が不安だった7.4%5.1%
会社都合5.2%5.3%
仕事の内容に興味を持てなかった4.4%3.6%
能力・個性・資格を生かせなかった3.8%3.7%

出典:厚生労働省「令和6年雇用動向調査」。転職して入職した人が、前の職場を辞めた理由です。給料・人間関係・労働条件の3つを足すと、男性27.7%、女性32.8%。3人に1人です。2026年9月19日に確認しました。

給料・人間関係・労働条件。この3つで、男性の27.7%、女性の32.8%が辞めています。3人に1人です。面接官はこの分布の中で採用をしていて、面接官自身も、たいていこの中のどれかで前の会社を辞めています。

だから、「その理由で辞めたこと」自体は減点ではありません。見られているのは、同じことがこの会社でも起きるのか、起きたときにどうするのかです。そこだけ答えれば足ります。

言い換えないほうがいい理由もある

「全部ポジティブに言い換えろ」と書いてある記事が多いのですが、理由によって扱いが違います。

理由ごとに、言い換えの要不要は変わる

本音の理由扱い理由
労働時間・休日事実のまま言ってよい時間数と休日数は客観的な事実で、確かめれば分かります。女性では12.8%で最も多い個人的理由です。数字で言えば愚痴になりません。「月平均の残業が◯時間でした」で足ります
会社都合・契約期間の満了そのまま言う自分の意思ではありません。男5.2%・女5.3%が会社都合です。隠すと経歴と合わなくなります
人間関係事実の形に直す「合わなかった」は主観なので確かめようがなく、相手にも同じことが起きると読まれます。「評価の基準が上長の裁量で決まっていた」のように、仕組みの話に置き換えます
給料金額以外の軸を足す金額だけだと「もっと出す会社があれば移る」と読まれます。下の表のとおり、転職で減る人も3割います。何をして上げたいのかまで言う

言い換えが要るのは、主観が入る理由だけです。数字で言える理由は、そのまま言ったほうが早く伝わります。

転職して賃金はどうなったか(令和6年・転職入職者)

割合うち1割以上
増加40.5%29.4%
減少29.4%21.7%
変わらない28.4%—

出典:同調査。増えた人は4割、減った人は3割います。「給料が理由」とだけ言うと、面接官の側からは「うちでも同じ不満になるのでは」と見えます。2026年9月19日に確認しました。

転職して賃金が増えた人は40.5%、減った人は29.4%です。3割は下がっています。だから「給料が上がらないから辞めました」だけでは、面接官は判断できません。「何をして上げるつもりか」までをセットにしてください。

落ちる型

言い換えの前に、これをやると内容以前に落ちます。

この4つは、言い方を直しても戻らない

やってしまうこと面接官がどう受け取るか代わりにどうするか
前の会社や上司を悪く言う「うちのことも外で同じように言う」主語を会社から自分に戻す。「〜されました」を「〜したいと考えました」に置き換える
作り話をする深掘りで時系列が合わなくなる。前職への在籍確認で崩れることもある事実は動かさない。話す範囲を狭めるのは嘘ではない
「御社なら〜だと思いました」で終える調べていないのが分かる。どこでもいい人に見えるその会社の具体的な事業名・職種名を1つ入れる
理由を3つも4つも並べる本当の理由を隠していると感じる1つに絞る。15秒で結論まで言い切る

とくに1つ目です。正しいことを言っていても、悪口の形をした瞬間に評価は下がります。

深掘りされたときの受け方

言い換えが通ると、たいてい次が来ます。「具体的には?」。ここで崩れる人が多い。

用意しておくのは、言い換えた内容を裏づける事実を1つだけです。たとえば「基準が明示される環境で」と言ったなら、「評価面談が年1回で、目標の設定が口頭のみでした」という事実を1つ添える。複数出すと言い訳に聞こえます。

答えたくない範囲に入ってきたら、「そこは差し支えがあるので控えさせてください。ただ、退職を決めた理由は先ほど申し上げたとおりです」で構いません。言いよどむより、線を引いたほうが印象は良くなります。→ 深掘りされたときの受け方

想定質問と答えを無料面談で一緒に組み立てる

職種ごとに聞かれ方は変わります。面談は無料・オンライン対応です。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

他に聞かれる4つの質問

退職理由のほかに問われるのは、次の4つだけです。表現が違っても中身は同じです。

質問の裏にある本当の問い

①「自己紹介をお願いします」→ この人は要点をまとめられるか
②「なぜ当社ですか」→ どこでもいいのではないか
③「これまでの実績を教えてください」→ うちで再現できるか
④「何か質問はありますか」→ 本当に関心があるか

裏の問いに答えていない限り、表面の質問にどれだけ流暢に答えても評価は上がりません。逆に、裏の問いに答えていれば、話し方が上手でなくても通ります。

答えの組み立て方

すべての回答は「結論 → 根拠 → 相手にとっての意味」の3点で組めます。

①結論を先に言う。15秒以内。面接官は同じ日に何人も会っています。最初の15秒で「この人の話は分かりやすい」と思わせられるかどうかが分岐点です。

②根拠を数字で置く。「売上を伸ばした」ではなく「担当製品の売上を2年で1.4倍にした」。数字がないと、聞き手は大きさを想像できません。

③相手にとっての意味に着地する。「その経験は、御社が今取り組まれている〇〇で使えると考えています」。ここまで言って初めて、実績が過去の話から未来の話に変わります。

この3点で1分。1分を超える回答は、ほぼ確実に長すぎます。

逆質問で何を聞くか

逆質問は評価される最後の場面であると同時に、こちらが相手を判断する唯一の場面でもあります。両方に使ってください。

評価される質問:入社後の期待、チームの構成、現在の課題、評価の基準。「自分がそこで働く前提」の質問は関心の強さとして伝わります。

こちらが確認すべき質問:残業の実態、離職率、前任者がなぜ辞めたか、決裁の流れ。ここを聞かずに入社すると、同じ理由でまた辞めることになります。

避けたい質問:調べれば分かること、待遇だけ、「特にありません」。最後の1つは関心がないと受け取られます。1つは必ず用意してください。

一人でできる練習

①声に出して録音する。頭の中で整理できていても、口に出すと崩れます。差はここに出ます。

②1分で止める。タイマーを使う。超えたら削る。

③深掘りを自分で3回する。「なぜ?」を3回重ねると、答えの浅い部分が見えます。

④本命は3社目以降に受ける。1社目は必ず本調子になりません。順番は自分で決められます。

ただし一人での練習には限界があります。自分では気づけない癖があるからです。第三者に一度見てもらうと、修正点が早く見つかります。

→ 深掘りされたときの受け方/実績の言語化/オンライン面接の作法

転職面接の準備ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド