条文は「請求があつたとき」と書いている

障害認定日には等級に該当しなかった。その後に重くなった。このときのために、国民年金法第30条の2が置かれています。この条文は、ほかの条文と決定的に違う形をしています。本人が請求しないと動きません。

本サイトは e-Gov法令検索で確認した条文を整理したものです。実際に受給できるかどうか・等級・金額は、日本年金機構の審査と、政令で定める障害等級表・認定基準によって決まります。請求と最終的な判断は、年金事務所または市区町村の年金窓口にご確認ください。本サイトは病気の症状・診断・治療については扱いません。

このページの内容
  1. 条文をそのまま読む
  2. 4つの要素に分ける
  3. 第30条との違い
  4. 期限は65歳に達する日の前日
  5. 自分の場合はどうなるか
  6. よくある取りこぼし
  7. よくある疑問
  8. 一次情報

条文をそのまま読む

国民年金法第30条の2第1項です。

「疾病にかかり、又は負傷し、かつ、当該傷病に係る初診日において前条第一項各号のいずれかに該当した者であつて、障害認定日において同条第二項に規定する障害等級(以下単に「障害等級」という。)に該当する程度の障害の状態になかつたものが、同日後六十五歳に達する日の前日までの間において、その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたときは、その者は、その期間内に同条第一項の障害基礎年金の支給を請求することができる。」

「前条」は第30条です。第30条の2は、第30条の要件をそのまま引き継ぐ形で書かれています。

同条第2項です。ここは見落とされやすい1行です。

「前条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する。」

前条第1項ただし書=納付要件です。事後重症でも納付要件は準用されます。「あとから重くなったのだから納付要件は関係ない」とはなりません。判定の時点は初診日です。年金事務所にご確認ください。

同条第3項です。

「第一項の請求があつたときは、前条第一項の規定にかかわらず、その請求をした者に同項の障害基礎年金を支給する。」

同条第4項には、請求があったものとみなす場合が置かれています。

「第一項の障害基礎年金と同一の支給事由に基づく厚生年金保険法第四十七条又は第四十七条の二の規定による障害厚生年金について、同法第五十二条の規定によりその額が改定されたときは、そのときに同項の請求があつたものとみなす。」

障害厚生年金の額が改定されたときは、そのときに請求があったものとみなされます。あてはまるかどうかは年金事務所にご確認ください。

4つの要素に分ける

第30条の2が求めている4つの要素

要素条文の言葉意味
出発点障害認定日において障害等級に該当する程度の障害の状態になかつたものその時点では等級に届かなかった人が対象
その後の変化その傷病により障害等級に該当する程度の障害の状態に該当するに至つたとき同じ傷病で重くなったこと
期限65歳に達する日の前日までの間その期間内に請求する
起点請求があつたときは…支給する(第3項)請求がないと支給されない構造

2026年9月15日に e-Gov法令検索で国民年金法第30条の2を確認しました。実際に該当するか・いつから支給されるかの判断は日本年金機構が行います。年金事務所にご確認ください。

第30条との違い

第30条と第30条の2

第30条(本来の障害基礎年金)第30条の2(事後重症)
いつの状態を見るか障害認定日の状態障害認定日より後の状態
条文の書き出し「…障害基礎年金を支給する」「…支給を請求することができる」
支給の条件要件に該当すること請求があつたとき(第3項)
期限条文に65歳の定めなし65歳に達する日の前日まで
納付要件第30条第1項ただし書第30条の2第2項が「準用する」と明記。判定の時点は初診日

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。第30条は「支給する」、第30条の2は「請求することができる」。条文の動詞が違います。

この違いが、実務でいちばん大きな差を生みます。第30条の2は請求という行為を条文が要件にしています。いつから支給されるかは日本年金機構の取り扱いによります。年金事務所にご確認ください。

期限は65歳に達する日の前日

条文は「65歳に達する日の前日までの間」とし、さらに「その期間内に」請求できるとしています。

この期限の読み方で気をつけること

年齢の起算や、期限の具体的な日付の判断は、年金事務所にご確認ください。本サイトでは個別の日付を断定しません。

自分の場合はどうなるか

障害認定日には軽かったが、いま重い

第30条の2が対象にしている場面です。請求が必要です。年金事務所にご確認ください。

重くなってから何年も経っている

条文は65歳に達する日の前日までの間としています。いつから支給されるかの取り扱いは年金事務所にご確認ください。

別の病気で重くなった

条文は「その傷病により」としています。同一の傷病とみるかの判断は日本年金機構が行います。

もうすぐ65歳になる

条文に期限の定めがあります。急いで年金事務所にご相談ください。

厚生年金でも同じですか

厚生年金保険法にも事後重症の定めが置かれています。本ページは国民年金法第30条の2を扱っています。年金事務所にご確認ください。

よくある取りこぼし

該当すれば自動的に支給されると思っていた

第30条の2第3項は「請求があつたときは…支給する」です。

障害認定日に該当しなかった時点で終わりだと思っていた

第30条の2が置かれています。

期限がないと思っていた

条文は65歳に達する日の前日までの間としています。

65歳の誕生日までだと思っていた

条文の言葉は「65歳に達する日の前日」です。具体的な日付は年金事務所にご確認ください。

重くなった日にさかのぼると思っていた

条文は請求を起点にした書き方です。取り扱いは年金事務所にご確認ください。

別の病気でも使えると思っていた

条文は「その傷病により」としています。

よくある疑問

請求しないとどうなりますか

第30条の2第3項は「請求があつたとき」に支給するという書き方です。手続については年金事務所にご確認ください。

いつから支給されますか

条文は支給の始まりを本条の中で数字で示していません。取り扱いは日本年金機構によります。年金事務所にご確認ください。

納付要件はまた見られますか

第30条の2第2項が「前条第一項ただし書の規定は、前項の場合に準用する」と明記しています。納付要件は準用され、判定の時点は初診日です。年金事務所にご確認ください。

65歳を過ぎてから重くなりました

第30条の2は65歳に達する日の前日までの間としています。ほかの条や附則に別の定めがある場合があります。年金事務所にご確認ください。

何級から対象ですか

障害基礎年金は第30条第2項の1級・2級です。各級の状態は政令で定められています。本サイトでは扱いません。

確認に使った一次情報

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。障害等級の各級の状態は政令で定められ、認定は日本年金機構が行います。年金事務所にご確認ください。

事後重症は、1か月遅れるとその1か月分が戻りません。診断書を待っているあいだも、請求書だけ先に出せるかを年金事務所に確認してください。税と介護の側で使える控除は別にまとめています。→ 障害者控除(手帳がなくても認定される場合)

障害年金の条文ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド