SIer・SESから、
どこへ移れるのか
「今のままでいいのか」と考え始めたら、まず移り先の選択肢と、そこで何が評価されるかを知ってください。持ち出せるものは、思っているより多いことがあります。
SIer・SESからの転職で結果が分かれるのは、技術力の差ではありません。「何を武器として持ち出すか」を決められているかどうかです。
移れる先4つ
4つの行き先を、1枚で
| 行き先 | 何をするか | いまの経験が効くか | 準備に要ること |
|---|---|---|---|
| 1. 事業会社の内製組織 | 自社サービスを自社で作る | △ 受託の進め方は通じるが実装は見られる | 年収レンジは高めになりやすい |
| 2. SaaS・Web系 | プロダクト開発 | △ モダンな技術スタックが前提 | コードで示せる準備 |
| 3. 上位SIer・コンサル系 | 上流工程とアーキテクチャ設計 | ◎ 今の上流経験がそのまま効く | もっとも移りやすい |
| 4. 専門領域に特化 | クラウド/SRE/データ基盤/セキュリティ | △ 領域の実務が要る | 需給が逼迫している領域 |
◎=そのまま通用する、△=足すものがある。迷ったら3から当たると、いちばん手戻りが少なくなります。
1. 事業会社の内製組織
自社サービスを自社で作る組織。受託より年収レンジが高いことが多く、技術判断の裁量も大きいのが特徴です。→ 事業会社の内製へ
2. SaaS・Web系企業
プロダクト開発。モダンな技術スタックに触れられます。ただし実装力を直接見られるため、コードで示せる準備が必要です。
3. 上位のSIer・コンサル系
上流工程とアーキテクチャ設計が中心。今の上流経験がそのまま効くため、もっとも移りやすいルートです。
4. 専門領域への特化
クラウド、SRE、データ基盤、セキュリティ。国の統計ではシステムエンジニア(基盤システム)の平均年収は889万円で、受託開発の578.5万円より310.5万円高い(厚生労働省の職業情報提供サイト・2026年9月18日確認)。→ 専門領域へ寄せる
自分の経歴でどこが現実的か、確認する
4つのうちどれが通るかは経歴で決まります。まず現実的な選択肢を絞るのが最短です。
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持ち出せる2つの武器
武器1:上流の経験。要件定義、基本設計、アーキテクチャ検討。SIerにいると当たり前でも、Web系・事業会社では意外と持っている人が少ないスキルです。
武器2:特定技術の深さ。特定のクラウド、DB、ミドルウェア、業務ドメイン。深さがあれば、その領域の求人で戦えます。
年収と働き方の比較
国の統計で並べます。厚生労働省の職業情報提供サイトの掲載値です(年収・年齢は令和7年賃金構造基本統計調査、求人倍率は令和7年度ハローワーク求人統計。2026年9月18日確認)。
いまの職種と、移り先の職種を同じ物差しで
| 職種(同サイトの区分) | 平均年収 | 平均年齢 | 有効求人倍率 | いまとの差 |
|---|---|---|---|---|
| システムエンジニア(受託開発)=いまここ | 578.5万円 | 37.1歳 | 2.54 | — |
| システムエンジニア(Webサービス開発) | 578.5万円 | 37.1歳 | 2.54 | ±0円 |
| ソフトウェア開発(パッケージソフト) | 578.5万円 | 37.1歳 | 2.54 | ±0円 |
| システムエンジニア(基盤システム) | 889万円 | 38.3歳 | 2.24 | +310.5万円 |
| ヘルプデスク(IT) | 609.8万円 | 42.2歳 | 1.36 | +31.3万円 |
| 経営コンサルタント | 1,134.6万円 | 39.4歳 | 0.4 | +556.1万円 |
出典:厚生労働省の職業情報提供サイトの各職業ページ(2026年9月18日確認)。差額は当サイト計算。賃金構造基本統計調査は「システムエンジニア」をまとめて集計しているため、受託・Web・パッケージは同じ値になります。
そして、上げ幅と入りやすさは逆になっています。経営コンサルタントは+556.1万円ですが有効求人倍率0.4=3人で1件の取り合い。基盤システムは+310.5万円で求人倍率2.24=1人に2.24件。
「上げ幅 × 入りやすさ」でいちばん割がいいのは、クラウド・SRE・データ基盤などの基盤側です。このページの「移れる先4つ」でいえば4番。1番・2番は、年収以外の理由(裁量・技術スタック)で選ぶところです。
比較の続きです。
技術の裁量:事業会社内製・SaaSが大きい。技術選定に関われるかどうかは面談で必ず確認してください。
移りやすさ(有効求人倍率で見ると):基盤システム2.24 > ヘルプデスク1.36 > 経営コンサルタント0.4。「上流経験がそのまま効くから上位SIer・コンサルが移りやすい」は、求人の数で見ると逆です。経歴が通るかどうかと、席があるかどうかは別の話です。
進め方
①持ち出す武器を1つ決める(上流か、特定技術か)。②その武器が効く移り先を2つに絞る。③市況を聞いて、通るかどうか確認する。④準備してから応募する。
いきなり応募すると、評価軸が定まらないまま落ち続けることになります。順番を守るだけで通過率が変わります。
在職中のまま、市況だけ確認しておく
面談を受けても応募の義務はありません。今の経歴がどう評価されるかを知るところから始められます。
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SIer転職ラボの記事一覧
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。