落ちているのは
経歴ではなく書き方
書類選考は1通あたり数十秒で判断されます。読まれる順番を知らないまま書くと、実力があっても落ちます。
職務経歴書は作文ではなく資料です。読み手が探している情報を、探している場所に置く。それだけで通過率は変わります。
採用側の読み方
書類を最初に見るのは、多くの場合人事か、現場のマネージャーです。1つのポジションに数十通が届きます。
そこで実際に見られているのは、次の3点です。
最初に確認される3点
①募集要件を満たしているか。年数、経験領域、資格。ここが×なら、他は読まれません。
②直近で何をしていたか。3年以内の経験が中心。10年前の実績は、ほぼ見られません。
③再現性があるか。「その成果を、うちでも出せそうか」。ここが判断の中心です。
逆に言えば、この3点が冒頭で分かる書類は、それだけで上位に残ります。
どの順番で目が動くか
読み手は上から順に読んでいません。探しに行っています。順番はだいたい決まっていて、次のように動きます。
読み手の目が動く順番
| 順 | 見る場所 | 何を確かめているか | ここで落ちると |
|---|---|---|---|
| 1 | 職務要約(冒頭3〜5行) | 誰なのか。何年、何の経験か | 以降は流し読みになる |
| 2 | 直近の所属と役割 | いま何をしている人か | 経験の実態が分からない |
| 3 | 募集要件との突き合わせ | 必須要件を満たすか | ここが×なら読み終わる |
| 4 | 成果の書き方 | 再現性があるか | 「担当した」だけでは判断できない |
| 5 | 経歴の切れ目・期間 | 説明が要る空白がないか | 面接で必ず聞かれる |
1と2で全体の印象がほぼ決まります。だから冒頭に何を置くかが最も効きます。
「読まれる」のではなく「探される」と考えてください。探している情報が探している場所になければ、書いてあっても無いのと同じです。5枚書いても、見られるのは冒頭の数行と直近の1社分です。
誰が読むかで変わる
同じ書類でも、最初に開く人によって見る場所が違います。応募先の規模と経路で、誰が読むかは推測できます。
読み手ごとに、見る場所が違う
| 読み手 | よくある場面 | 特に見るところ |
|---|---|---|
| 人事・採用担当 | 大手、応募が多いポジション | 要件との一致。年数・資格・経験領域を機械的に確認する |
| 現場のマネージャー | 中小、専門職、少人数のチーム | 何ができるか。使っている道具や進め方が具体的か |
| 経営者 | 小規模、幹部候補 | 一緒に働けるか。志向と、これまでの判断のしかた |
| エージェントの担当者 | 紹介経由 | 推薦文に書ける材料があるか。強みが言語化されているか |
エージェント経由では、まず担当者が読んで企業に説明します。担当者が説明できない書類は、そこで止まります。
人事が最初に読む場合は、要件との一致が最優先です。募集要件の言葉を、自分の経歴の側にも置いてください。「顧客折衝」と書かれているのに「クライアント対応」と書いていると、突き合わせに手間がかかります。同じ意味なら、相手の言葉に合わせるほうが通ります。
落ちる書類の共通点
①時系列が古い順。読み手は直近を見たいのに、10年前から始まる。逆にしてください。
②担当業務の羅列。「〜を担当」「〜に従事」が並ぶだけ。何をどう変えたかが書かれていない。
③数字がない。「売上に貢献」ではなく「担当売上◯億、前年比◯%」。数字がないと再現性を判断できません。
④全部盛り。5枚も6枚もある。読まれません。A4で2枚が目安です。
⑤応募先ごとに変えていない。同じ書類を全社に出すと、どこにも刺さりません。
このうち③と⑤は、直すのに時間がかかるわりに効果が大きい項目です。
書く順序
上から順に、読み手が知りたい順に並べます。
①職務要約(3〜5行)。ここだけで判断されることがあります。「何の経験が何年あり、直近で何をしている人か」を書きます。
②活かせる経験・スキル。箇条書き。募集要件の言葉に寄せます。
③職務経歴(新しい順)。会社ごとに、事業内容・組織規模・自分の役割・成果。
④資格・語学。
①を最後に書くと、うまくまとまります。中身を書き切ってから要約するほうが早いためです。
書く道具が手元にあるか
ここから先は書き方の話ではありません。職務経歴書はスマートフォンでは実質書けません。A4で2枚に収める体裁の調整と、応募先ごとの出し分けには、パソコンが要ります。在職中の方は、会社の端末で私用の書類を作らないでください。退職時にデータを持ち出せませんし、規程違反になることがあります。
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会社の端末を使わずに、今夜から書き始める
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数字の出し方
「数字が出せる仕事ではない」と言われることがありますが、ほとんどの職種で出せます。
規模の数字。売上、予算、人数、案件数、拠点数、取引社数。
変化の数字。前年比、削減率、短縮日数、離職率の変化。
期間の数字。何か月で立ち上げたか、何年継続したか。
守秘義務で具体値が出せない場合は、「約◯億規模」「◯名規模の組織」のように幅で書けば問題ありません。
大事なのは数字そのものより、数字を扱う思考が見えることです。
自分で直すか、見てもらうか
自分で直せるのは、上の①〜④までです。⑤(応募先ごとの出し分け)は、外の目がないと難しい。その会社が何を欲しがっているかは、外からは見えないためです。
特に専門職・ハイクラスの求人は、募集要件に書かれていない前提条件があることが多く、ここで差がつきます。
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職務経歴書の書き方ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。