途中で働いた期間は、
1年6月に入りません

「1年6か月で打ち切り」と聞いて、逆算して不安になっている人がいます。数え方は、カレンダーどおりではありません。条文には「通算して」と書かれています。この3文字で、復職を試せるかどうかが変わります。

今日やること。数え直すだけ

残りを数える

  1. ① 実際に支給された日数を足す支給決定通知書の「支給対象期間」を全部足します。休んでいた期間ではなく、支給された期間です。
  2. ② 復職していた期間は足さない働いて報酬を受けていた期間は、支給されていないので算入されません。これが「通算して」の意味です。
  3. ③ 1年6月から引く残りが、まだ使える期間です。思っていたより残っていることがあります。
このページの内容
  1. 今日やること
  2. 条文の「通算して」
  3. 復職を試しても、権利は消えません
  4. 1年6月を使い切ったあと
  5. もう残りがない人へ
  6. 自分の場合はどうなるか
  7. よくある取りこぼし
  8. よくある疑問
  9. 一次情報

条文の「通算して」

「傷病手当金の支給期間は、同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては、その支給を始めた日から通算して一年六月間とする」
健康保険法 第99条第4項

数え方が変わると、こうなる

数え方1年6月の使い方
暦どおりに数える最初に支給された日から1年6か月で終わり。復職した期間も含めて終わる
通算して数える(条文)実際に支給された期間だけを足して1年6月。復職した期間は入らない

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認しました。「同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては」とあるので、別の病気なら別に数えます。

復職を試しても、権利は消えません

「一度復職したら、もう受けられないのでは」と思って、戻るのをためらう人がいます。

通算なので、復職して支給が止まっても、残りの期間はそのまま残ります。同じ病気で再び働けなくなったとき、残っている分を使えます。

ただし、退職をはさむ場合は条件が変わります。復職してから辞めるのか、休職のまま辞めるのかで、その後受けられるかどうかが分かれます。→ 辞めても続くか

1年6月を使い切ったあと

使い切ったあとも、収入の道が完全に閉じるわけではありません。

次に確認するもの

傷病手当金の1年6月と、障害年金の1年6か月は、数え方の起点が違います。傷病手当金は支給を始めた日から、障害年金は初診日から数えます。重なる時期が近いので、終わりが見えてきたら、早めに年金事務所で相談してください。

もう残りがない人へ

切れたことが分かった時点で、順番を決め直すだけです。

先にやるのは、収入の空白をどう埋めるかです。障害年金は請求から決定までに時間がかかります。その間の生活費は、別の窓口で手を打っておく必要があります。→ 振り込まれるまでの間

自分の場合はどうなるか

途中で3か月だけ復職した

その3か月は1年6月に算入されません。支給された期間だけを足して数え直してください。

別の病気で休むことになった

条文は「同一の疾病又は負傷及びこれにより発した疾病に関しては」としています。別の病気なら、1年6月は別に数えます。関連するかどうかは医師の意見書の記載で判断されるので、主治医に『別の傷病として書けますか』と先に相談してください。

残りが3か月を切った

いまのうちに年金事務所に相談してください。障害年金は、請求してから決定まで時間がかかります。切れてから動くと空白ができます。

復職できるか自信がない

試して戻れなくても、残りの期間は使えます。ただし、復職して報酬を受けた期間は支給されません。

退職を勧められている

辞める前に条件を確認してください。順番を間違えると受けられなくなります。→ 辞めても続くか

よくある取りこぼし

暦で1年6か月だと思っていた

条文は「通算して」です。支給された期間だけ足します。

復職したら権利が消えると思っていた

残りはそのまま残ります。

別の病気でも通算されると思っていた

同一の疾病等についての期間です。判断は保険者が行います。

切れてから障害年金を調べ始めた

決定まで時間がかかります。残り3か月を切ったら動いてください。

健康保険組合の付加給付を知らなかった

組合によって独自の給付があります。保険者に確認してください。

雇用保険の受給期間延長を知らなかった

働けない期間について、延長の仕組みがあります。ハローワークで確認してください。

よくある疑問

1日でも復職したら、そこで終わりですか

終わりません。働いた期間は算入されず、残りが使えます。

いま何日使ったか、どこで分かりますか

保険者に聞けば分かります。支給決定通知書を足しても数えられます。

同じ病気かどうかは誰が決めますか

保険者です。医師の意見書の記載が判断材料になります。だから、主治医に『前の病気とは別のものとして書けますか』と先に聞いておくと、結果が変わることがあります。

1年6月を過ぎたら、健康保険も使えなくなりますか

別の話です。在職中なら被保険者のままです。退職した場合は切り替えが必要です。

残りが少ないと、いま申請しないほうがいいですか

使わないと消えるものではありません。働けない期間があるなら、その分は請求してください。

このサイトは、傷病手当金の手続きが実際にどう動くのかを、健康保険法と施行規則の条文で確かめて書いています。金額と支給の可否を決めるのは、加入している健康保険の保険者です。ここでは、条文で決まっていて全国どこでも同じ部分と、あなたの側から動かせる部分を書きます。病気の症状・診断・治療には触れません。

確認に使った一次情報

2026年9月15日に e-Gov法令検索で確認した条文です。金額・必要書類・審査にかかる日数は保険者によって違います。条文で全国共通なのは、支給の要件と、申請書に何を添えるかまでです。

残りが見えてきたら、次に確認するのは退職日の扱いです。退職日の過ごし方で、退職後も受け取れるかどうかが変わります。→ 退職日の過ごし方で、その後が変わります/期間が尽きたあとは → 障害年金との調整

傷病手当金ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド