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「外資」でひとくくりにしない

外資系といっても、戦略系・総合系・IT系で仕事の性質が違い、日本法人の運営も一様ではありません。ブランドではなく、案件と組織で見てください。そのうえで、提示年収を比べるより先に見る数字が1つあります。退職金です。大学・大学院卒の定年退職金は平均1,896万円。年収が100万円上がる転職でも、退職金のない会社に移るなら、取り返すのに19年かかる計算になります。

このページの内容
  1. 日系との違い
  2. 年収より先に退職金を見る
  3. 「外資だからすぐ解雇」は法律上そうなっていない
  4. どのファームが自分に合うか
  5. 選考の流れ
  6. 条件面の確認
  7. 見落としやすい点

日系との違い

違いが出やすい項目

項目傾向として見られる違い確認のしかた
評価成果と等級の紐づけが明確な傾向評価の周期と基準を面接で聞く
昇進等級ごとに求められる役割が定義されている次の等級に必要なことを具体的に聞く
英語案件により日常的に必要案件のうち海外関与の割合を聞く
異動希望と案件の需給で決まる傾向部門間の異動実績を聞く
雇用条件賞与の変動幅が大きいことがある固定と変動の内訳を書面で確認

「外資だから」ではなく、その法人の運用がどうなっているかを個別に確認してください。

入ってから何をやるのか、案件名で聞ける

海外案件の割合や英語の使用頻度は、面談で具体的に確認できます。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

年収の比較より先に、退職金を見る

オファーの比較は、たいてい提示年収の引き算で終わります。そこに入っていないものが2つあります。退職金と、賞与の変動幅です。退職金のほうは公的な統計で額が出ています。

退職給付(一時金・年金)の制度がある企業の割合(令和5年)

区分制度がある企業の割合
全体74.9%
1,000人以上90.1%
300〜999人88.8%
100〜299人84.7%
30〜99人70.1%
学術研究、専門・技術サービス業87.2%
情報通信業74.6%

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」。コンサルティング会社の多くが入る学術研究、専門・技術サービス業は87.2%で、産業のなかでは高いほうです。つまり「無いのが普通」ではありません。無い会社を選ぶなら、それは選択です。2026年9月19日に確認しました。

次に、いくらになるかです。

退職給付額はいくらか(大学・大学院卒/管理・事務・技術職・令和5年)

区分退職給付額年収が100万円上がる転職で取り返すのにかかる年数
定年退職1,896万円19.0年
自己都合退職1,441万円14.4年
勤続20〜24年1,021万円10.2年
勤続25〜29年1,559万円15.6年
勤続30〜34年1,891万円18.9年
勤続35年以上2,037万円20.4年

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」。右の列は、退職給付額を年100万円で割った当サイトの計算です。「年収が100万円上がる」は、この計算のために置いた仮定です。実際の提示額で割り直してください。税と社会保険料は考えていません。2026年9月19日に確認しました。

年収が100万円上がっても、退職金のない会社に移るなら、19年いてようやく並びます。3年で次に移るつもりなら、この計算は要りません。20年いるつもりなら、いちばん大きい項目です。どちらなのかを先に決めてください。

もう1つ、定年退職の1,896万円と自己都合の1,441万円には455万円の差があります。自分から辞めた場合は減る、という制度設計です。「あと何年で定年か」が近い人ほど、辞める時期の1年が効きます。

オファー面談で、この形で聞く

1つ目と5つ目を聞かずにオファーを比べると、比べたことになりません。

「外資だからすぐ解雇」は、法律上そうなっていない

外資系の話で必ず出るのが「成果が出なければ切られる」です。雇用のルールがどうなっているかを、条文で確認しておきます。

解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。(労働契約法16条)

日本法人に雇われている限り、外資系でもこの条文が適用されます。「外資だから解雇の要件がゆるい」ということはありません。資本がどこの国かで、解雇のルールは変わりません。

では何が違うのか。変わるのは「辞めてほしい」と伝えられたときの運用です。これは解雇ではなく退職勧奨です。退職勧奨は、こちらが合意しなければ成立しません。合意しない限り、雇用は続きます。

退職勧奨を受けたときに起きやすいこと

その場で退職届を書く

署名すれば合意退職です。あとから解雇だったと主張するのは難しくなります。持ち帰ってかまいません。

「解雇されるより自己都合のほうがいい」と言われて従う

失業給付の扱いも退職金の額も、会社都合と自己都合では変わります。どちらの扱いになるかを先に確認してください。

口頭のやり取りだけで進める

何を言われたかの記録が残りません。日付と発言をその日のうちに書いておいてください。

どのファームが自分に合うか

どの種類が自分に合うか

経営の意思決定に近い仕事がしたい

戦略系が正面です。少人数・短期間のプロジェクトが多く、抽象度の高い問いを扱います。ケース面接の比重が高い傾向があります。

業務の設計から実行まで見たい

総合系が向きます。業務・IT・人事など幅広い領域を扱い、実行支援まで入る案件があります。

技術を軸にしたい

IT系・テクノロジー系です。システム導入やデータ基盤など、技術の実装に近い領域を扱います。

特定業界に強くなりたい

業界特化の部門やブティックファームが選択肢になります。専門性は深まりますが、扱う領域は狭くなります。

選考の流れ

一般的な流れ

  1. ① 書類選考職務経歴書で、担当した範囲と成果を数字で示せるかが問われる。
  2. ② 筆記・適性論理・数的処理を課すファームがある。
  3. ③ ケース面接複数回行われることが多い。面接官の職位が上がっていく。
  4. ④ 最終面接志望動機と、入社後に何をするかの整合を見られる。
  5. ⑤ オファー面談等級、報酬、想定される案件を確認する場。

⑤は条件を確認する最後の機会です。等級・固定と変動の内訳・想定案件を、口頭ではなく書面で確認してください。

ケース面接が何回あるかは、ファームで違う

ファームごとに選考の回数も形式も違います。事前に把握しておくと準備が変わります。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

条件面の確認

オファーで必ず確認する

最後の項目は退職時に効いてきます。入社時の契約書に、退職後の制約が書かれていないかを確認してください。範囲や期間が広すぎる場合は、内容を質問しても差し支えありません。

見落としやすい点

よくあるずれ

ブランドで決める

同じファームでも部門と案件で仕事はまったく違います。

提示年収の総額だけを見る

変動部分の割合と過去の実績を確認しないと、実際の手取りが読めません。

英語の必要度を確認しない

案件構成によって差があります。入ってから困る典型です。

等級を確認しない

同じ年収でも、等級が違えば次の昇進までの距離が変わります。

よくある疑問

英語が得意でなくても応募できますか

案件構成によります。国内案件中心の部門もあるため、面談で海外関与の割合を確認してください。

30代・40代でも入れますか

求人ごとに求める経験年数が設定されています。年齢そのものより、その等級に見合う経験があるかで判断されます。

事業会社からの転職は不利ですか

事業会社での実務経験を評価する求人もあります。何をどこまで自分が担当したかを具体的に示せるかが分かれ目です。

複数のファームを同時に受けてよいですか

一般的に問題ありません。ただし選考の進み方が違うため、タイミングの調整はエージェントと相談してください。

転職エージェント比較ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

次に見ておくガイド