法人を変えても、分母はほぼ変わりませんでした
「パートナーを目指す」と書いてある記事はたくさんありますが、パートナー1人の下に職員が何人いるかを書いた記事は見つかりませんでした。昇進の難しさを語るなら、分母が要ります。法定開示に両方の数字が載っているので、割りました。
社員(パートナー)1人あたりの職員数(最新期)
| 法人 | 社員 計 | 使用人 計 | 社員1人あたり |
|---|---|---|---|
| PwC Japan | 264人 | 3,514人 | 13.3人 |
| あずさ | 529人 | 6,661人 | 12.6人 |
| トーマツ | 475人 | 5,803人 | 12.2人 |
| EY新日本 | 535人 | 6,310人 | 11.8人 |
各法人の説明書類の社員の数と使用人の数から当サイトで計算。使用人は公認会計士・試験合格者等・監査補助職員・その他事務職員の合計です。
11.8人から13.3人。差は1.5人しかありません。どの法人でも、おおむね職員12人にパートナー1人です。
これは期待と逆かもしれません。「人数が少ない法人のほうがパートナーになりやすい」は、少なくとも分母の上では成り立っていません。PwC Japanは4法人でいちばん小さいのに、社員1人あたりの職員数はいちばん多い。つまり分母はむしろ厳しい側です。
いまの職階から、どの法人で何年かかるか聞く
分母は4法人で変わりませんが、昇格の運用は法人・部門で違います。中を見ている人に当てるのが早いです。
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かわりに、ここが5倍違いました
分母が揃っているなら、どこで差がつくのか。特定社員の比率です。
社員のうち、公認会計士でない社員(特定社員)の比率
| 法人 | 社員 計 | うち特定社員 | 比率 |
|---|---|---|---|
| PwC Japan | 264人 | 59人 | 22.3% |
| あずさ | 529人 | 40人 | 7.6% |
| トーマツ | 475人 | 25人 | 5.3% |
| EY新日本 | 535人 | 24人 | 4.5% |
特定社員は公認会計士法上、公認会計士でない社員のこと。各法人の説明書類の数値から当サイトで計算しました。
PwC Japanは社員の4人に1人が会計士ではありません。EY新日本は22人に1人です。
意味はひとつです。会計士資格を持たずにパートナーまで行く道が、法人によって5倍ひらいている。ITやシステム監査、データ分析、業種の実務経験でこの道に乗る人がいます。資格を取らずに監査法人でキャリアを積みたい人にとって、これは法人選びの軸になります。
有資格者の比率も、同じ方向に出ます
勤務者のうち公認会計士(社員+使用人)の比率
| 法人 | 公認会計士 | 勤務者総数 | 比率 |
|---|---|---|---|
| EY新日本 | 3,073人 | 6,845人 | 44.9% |
| トーマツ | 2,744人 | 6,272人 | 43.7% |
| あずさ | 3,004人 | 7,190人 | 41.8% |
| PwC Japan | 1,237人 | 3,778人 | 32.7% |
社員の公認会計士と使用人の公認会計士の合計を勤務者総数で割ったもの。当サイトでの計算です。
PwC Japanは3人に1人しか会計士がいません。EY新日本は2人に1人近い。会計士に囲まれて働きたいか、いろいろな専門の人と組みたいかで、居心地が変わる差です。
試験合格者の抱え方
使用人の内訳に「公認会計士試験合格者等」という区分があります。合格はしたが登録前の人です。入口の採用規模を映します。
公認会計士試験合格者等の人数と、使用人に占める比率
| 法人 | 合格者等 | 使用人 計 | 比率 |
|---|---|---|---|
| EY新日本 | 1,522人 | 6,310人 | 24.1% |
| あずさ | 1,483人 | 6,661人 | 22.3% |
| トーマツ | 1,265人 | 5,803人 | 21.8% |
| PwC Japan | 761人 | 3,514人 | 21.7% |
各法人の説明書類の数値から当サイトで計算。
比率は21.7%から24.1%で、ほぼ揃っています。実数ではEY新日本が1,522人で最多、PwC Japanが761人で最少。規模の差がそのまま出ています。
この数字をどう使うか
パートナーになる確率で法人を選ぶのは、やめていい。分母が12人前後でそろっています。1.5人の差は、個人の昇格可否には効きません。
会計士資格を取らない前提なら、特定社員比率で選ぶ。ここは5倍違います。4法人で最も差が大きい指標です。
資格取得の予定があるなら、合格者等の実数を見る。同期が何人いるかに直結します。
→ 4法人の実数そのものは法定開示資料で4法人を比較するに一覧があります。
よくある疑問
特定社員とは何ですか。
社員1人あたりの職員数が多いと、昇進しにくいのですか。
この数字は毎年変わりますか。
このページの数字の出典
人数・金額はすべて、4法人が公認会計士法第34条の16の3にもとづいて公開している「業務及び財産の状況に関する説明書類」に印字された数値です。比率と1人あたりの金額は、その数値を当サイトで割ったものです。確認日は2026年10月3日。
- 有限責任あずさ監査法人 第42期(2025年7月1日〜2026年6月30日)説明書類(一覧ページ)
- EY新日本有限責任監査法人 第27期(2025年7月1日〜2026年6月30日)説明書類(一覧ページ)
- 有限責任監査法人トーマツ 第59期(2025年6月1日〜2026年5月31日)説明書類(一覧ページ)
- PwC Japan有限責任監査法人 第21期(2025年7月1日〜2026年6月30日)公衆縦覧書類(一覧ページ)
- 有限責任あずさ監査法人 第41期 説明書類/EY新日本 第26期/トーマツ 第58期/PwC Japan 第20期(いずれも前期比較に使用)
決算期は法人ごとに違います(トーマツは5月期、他の3法人は6月期)。公衆縦覧の開始は8月から9月末にばらけるため、4法人の最新期がそろうのは毎年10月以降です。
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一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。