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あなたの紹介に、会社は平均103万円払っています

外資・コンサル転職の記事を39本調べたところ、エージェント経由と直接応募を比べた記事は1本もありませんでした。「エージェント活用がおすすめ」という見出しは十数本にありましたが、全部が自社への導線で、手数料の話は出てきません。

手数料の仕組みは法令で決まっていて、金額も厚生労働省が集計して公表しています。知らずに使うより、知って使ったほうが得です。

有料職業紹介の手数料(法令と公表値)

項目内容根拠
求職者から徴収原則できない職業安定法32条の3第2項
例外芸能家・モデル・経営管理者・科学技術者・熟練技能者。後3者は年収700万円超に限る同項ただし書・厚労省告示
例外の上限就職後6か月以内に支払われた賃金の11.0%(免税事業者10.3%)職業安定法施行規則20条2項
上限制手数料(求人者)支払われた賃金額の11.0%(免税10.3%)/受付手数料 求人1件710円厚労省(令和元年10月1日適用)
届出制手数料(求人者)届け出た手数料表の額。率の法定上限はない職業安定法32条の3第1項2号
常用就職1件あたり約103万円(令和6年度)厚労省 職業紹介事業報告書 集計結果

率と金額はいずれも公表値。1件あたりは常用就職に係る手数料 約9,136億円 ÷ 常用就職888,993件。

あなたは1円も払いません。職業安定法32条の3第2項が「求職者からは手数料を徴収してはならない」と定めています。例外はありますが、年収700万円超の経営管理者などに限られ、その場合も上限は11.0%です。

かわりに会社が払います。令和6年度の集計で、常用就職1件あたり約103万円。手数料収入の総額は約9,835億円、前年度比17.6%増です。

無料のうちに、市況だけ確認しておく

費用が求職者側に発生しないのは法令の定めです。面談は無料・オンラインで、応募の義務もありません。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

「30%」はどこから来るのか

実務でよく聞く「年収の30〜35%」は、上限制ではなく届出制手数料のほうです。あらかじめ厚生労働大臣に届け出た手数料表の額を求人者から徴収する仕組みで、率についての法定上限はありません。こちらで調べたかぎり、法令・業務運営要領・労働局の資料のいずれにも率の上限の定めは見つかりませんでした。

制約は職業安定法32条の3第4項にある変更命令だけです。①特定の者に対し不当な差別的取扱いをするとき、②手数料に関する事項が明確に定められていないことにより著しく不当と認められるとき、に厚生労働大臣が手数料表の変更を命じられます。

つまり「年収が高いほどエージェントの取り分が増える」のは事実です。では年収を下げて決めさせるインセンティブがあるのか。逆です。手数料は支払われた賃金に対する率なので、年収が上がるほどエージェントの収入も増えます。年収交渉でエージェントが強く出る理由はここにあります。

早期に辞められると、エージェントは返金する

返戻金制度(へんれいきんせいど)といいます。労働局の資料に載っている例はこうです。

返戻金の例(労働局資料の例示)

退職までの期間返す割合
2週間以内紹介手数料の70%
1か月以内50%
3か月以内20%

長崎労働局「職業紹介事業の実務」に掲げられた例示。率と期間は事業者ごとに異なり、法令が定めているものではありません。

医療・介護・保育分野の認定制度では、令和6年度から「求職者が就職後6か月以内に離職した場合の返戻金制度」を設けていることが必須基準になりました。

読み方は2つあります。合わない求人に押し込むと自分が損をするので、無理な紹介をしにくい。一方で、返戻の期間を過ぎるまでは辞めないでほしいと働きかける動機も生まれます。入社後3か月から6か月の間に連絡が増えたら、そういう事情があると知っておくだけで受け止め方が変わります。

エージェントの実績は、自分で確認できます

これがいちばん使える話です。職業紹介事業者は、厚生労働省が運営する人材サービス総合サイトで、事業所ごとに次の情報を提供することが義務づけられています。

公表が義務づけられている項目

③ ÷ ② を自分で計算すれば、そのエージェントが紹介した人のうち、半年以内に辞めた割合が出ます。④は追跡できていない割合です。④が大きい事業所は、辞めたかどうかを把握していないということです。

さらに、令和6年度の実績から常用就職の実績が多い上位5職種について、1件あたりの平均手数料率も掲載されます。自分の職種で何%取っているかが分かります。

サイトは 人材サービス総合サイト(厚生労働省) です。事業所名で検索できます。

最初に接触する時点までに、書面で出させられる10項目

厚生労働省と都道府県労働局が求職者向けに出しているリーフレットに、こう書かれています。職業紹介事業者は原則として求職者と最初に接触する時点までに、書面の交付、ファクシミリ、または電子メール等の方法で次を明示しなければなりません。

明示が義務づけられている事項

「とりあえず話を聞いてから」と言われて、求人の中身が出てこないときに効きます。口頭の説明だけで進められたら、書面で出してくださいと言ってよい。義務なので、出せないほうがおかしいです。

とくに試みの使用期間(試用期間)と賃金の額は、面談のあとに変わることがあります。最初に出た書面を残しておくと、あとで突き合わせられます。

困ったときの相談先は、各都道府県労働局の需給調整事業課・需給調整事業室・職業安定課です。同じリーフレットに全47都道府県の連絡先が載っています。

エージェント経由と直接応募、どちらが得か

条文からは、こう整理できます。

選考そのものが変わるという定めはありません。手数料は職業紹介に対して支払われるもので、選考基準に影響するという規定は職業安定法にも施行規則にもありません。

ただし会社側のコストは変わります。直接応募ならその103万円が発生しません。ここをどう見るかは会社によります。採用枠の予算を手数料込みで組んでいる会社と、そうでない会社があります。

外資・コンサル領域では、求人が公開されていないことが多いのが実際のところです。直接応募したくても、応募先が分からなければ始まりません。公開求人があるなら直接も選べる、無いならエージェント経由しかないというだけの話です。

現実的な使い方は、両方です。公開求人が出ている会社は直接、出ていない領域はエージェント経由。エージェントに「この会社は公開求人もありますよね」と聞いて構いません。

業界全体の規模

令和6年度の集計です。事業報告を提出した事業所は30,561、そのうち就職実績があったのは13,946事業所。半分以上が年間で1件も就職を出していません。新規求職申込件数は55,250,115件、常用就職は888,993件でした。

申込件数に対する就職件数は1.6%です。ただし1人が複数の事業所に申し込むと件数が重複して数えられるため、これは「人のうち1.6%が就職した」という意味ではありません。事業所ベースの延べ件数の比です。

よくある疑問

エージェントを使うと年収が下がりますか。

手数料は支払われた賃金に対する率なので、年収が上がるほどエージェントの収入も増えます。制度上は下げる動機がありません。ただし成約を急ぐ動機はあるので、提示を受け入れる期限を切られたときは、いったん持ち帰ってください。

求職者が手数料を払うことはありますか。

原則ありません(職業安定法32条の3第2項)。例外は芸能家・モデル・経営管理者・科学技術者・熟練技能者で、後3者は年収700万円超に限られ、その場合も上限は就職後6か月以内に支払われた賃金の11.0%(免税事業者10.3%)です。

複数のエージェントを使っても問題ありませんか。

法令上の制限はありません。同じ求人に複数経由で応募すると会社側で重複になるため、どの会社に出しているかは各社に伝えておくほうが揉めません。

人材サービス総合サイトで何が分かりますか。

事業所ごとの就職者数、無期雇用就職者数、6か月以内の離職者数、離職したか判明しなかった者の数、手数料表、返戻金制度の内容です。6か月以内離職者数を無期雇用就職者数で割れば、半年以内に辞めた割合が自分で計算できます。

このサイトも紹介で報酬を受けていますか。

はい。このページのリンク経由で面談に進んだ場合、運営者が報酬を受け取ることがあります。利用者に追加の費用は発生しません。該当するリンクには「PR」表記を付けています。

このページの出典

条文と数値は、下記の公的機関が公表しているものです。当サイトで計算した比率・換算は、本文でその旨を書いています。確認日は2026年10月3日。

手数料の仕組みを分かったうえで、面談を1本だけ入れる

求職者側に費用は発生しません(職業安定法32条の3第2項)。応募の義務もないので、市況の確認だけでも使えます。

運営:株式会社MyVision(有料職業紹介事業許可番号 13-ユ-314719/東京労働局)。面談は無料・オンライン対応。広告(PR)を含みます。

外資系転職ガイドの記事一覧

一次情報の確認先

このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。

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