肩書きの対応表は、どこにも公開されていません
外資転職の記事を39本調べて、「同じ経歴なら日系で何相当、外資で何相当」という対応を示した記事は1本もありませんでした。役職名の語義を解説した記事はありますが、それは転職時にどのタイトルで入るかという話とは別物です。
理由は単純で、外資のタイトルは各社の社内等級だからです。Analyst・Consultant・Manager・Senior Manager・Director という並びに法令の定義はなく、公的統計の区分にもありません。会社をまたいだ対応表は、作れないので存在しません。
では何を基準にするか。肩書きではなく、金額です。公的統計に役職別の賃金が出ています。
役職別の所定内給与額(令和7年・男女計)
| 役職 | 所定内給与額(月) | 12か月換算 | 平均年齢 | 平均勤続 |
|---|---|---|---|---|
| 部長級 | 635.8千円 | 約763万円 | 53.1歳 | 22.6年 |
| 課長級 | 529.2千円 | 約635万円 | 49.5歳 | 20.9年 |
| 係長級 | 399.2千円 | 約479万円 | 45.4歳 | 17.5年 |
| 非役職者 | 310.5千円 | 約373万円 | 41.5歳 | — |
厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 第8表。対象は一般労働者のうち雇用期間の定めのない者。所定内給与額は超過労働給与額を差し引いた額で、賞与を含みません。12か月換算は当サイトでの計算です。
注意が2つあります。所定内給与額は賞与を含みません。そして超過労働給与額(残業代)も差し引いた額です。実際の年収はこれより上になります。
もうひとつ。これは「課長の平均」であって「あなたの会社の課長」ではありません。平均年齢49.5歳・平均勤続20.9年という数字が付いています。40歳で課長なら、この平均より若い側です。
いまの年収で、外資のどの等級に入れるか聞く
タイトルは各社の等級なので、求人票からは読めません。中を知っているエージェントに当てるのが早いです。
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入社時のタイトルは、何で決まるのか
調べたかぎり、公開されている情報から言えるのはここまでです。
1. 等級レンジの交点で決まります。各ポジションには等級と給与レンジが紐づいています。あなたの現年収がどのレンジに入るかで、提示される等級が絞られます。先に等級が決まって年収が付いてくるのではなく、年収からレンジが決まることが多いのが実際のところです。
2. 前職の肩書きはそのまま持ち込めません。日系の課長が外資のManagerになるとは限りません。組織の規模が違えば、同じ名前でも担当範囲が違います。
3. 下がって入ることもあります。未経験領域に移る場合、タイトルは下がって年収は上がる、あるいはその逆が起きます。どちらを優先するかを先に決めておかないと、オファーを比べられません。
年収1,000万円は、給与所得者の6.6%
国税庁の令和7年分の調査では、1年を通じて勤務した給与所得者は5,163万人、平均給与は487万円です。
給与階級別の人数と構成比(令和7年分)
| 給与階級 | 人数 | 構成比 |
|---|---|---|
| 1,000万円超 1,500万円以下 | 2,422千人 | 4.7% |
| 1,500万円超 2,000万円以下 | 610千人 | 1.2% |
| 2,000万円超 2,500万円以下 | 167千人 | 0.3% |
| 2,500万円超 | 196千人 | 0.4% |
| 1,000万円超 計 | 約339.5万人 | 6.6% |
国税庁 令和7年分 民間給与実態統計調査。1年を通じて勤務した給与所得者。計の行は4階級を合算したもので、報告書に合計欄としての公表はありません。
年収1,000万円超は6.6%です。外資やコンサルの記事を読んでいると1,000万円が標準のように見えますが、給与所得者全体では15人に1人です。到達すれば上位6.6%に入ります。そこを「普通」と思い込むと、提示を過小評価します。
日系の年収と外資の提示を比べる手順
この順番で並べます
- 1. 現職を確定分に分解する基本給と、固定的に出ている手当。賞与は過去3年の実績で平均を出す。残業代は別に置く。
- 2. 外資の提示も確定分に分解するベース(基本給)が確定分。賞与は業績連動なので「目標値」ではなく直近の支給実績を聞く。株式報酬は権利確定のスケジュールを聞く。
- 3. 確定分どうしで比べる現職の基本給+固定手当 対 外資のベース。ここで下がるなら、変動部分の上振れに賭けることになります。
- 4. 公的平均と自分の位置を確認する上の役職別の表で、いまの所定内月額がどの役職級に近いか。提示額がそこからどう動くか。
- 5. 3年後のレンジを聞く入口の額だけでは判断できません。等級が1つ上がると何%上がるのか、昇格の平均滞留年数は何年か。
→ 年収の内訳そのものは外資系の年収の内訳と確認すべき5項目にまとめています。
よくある疑問
日系の課長は外資のManagerですか。
タイトルが下がる提示は受けないほうがいいですか。
公的統計の役職別賃金に、企業規模1,000人以上の内訳はありますか。
コンサルタントという職種の公的な平均年収はありますか。
このページの出典
条文と数値は、下記の公的機関が公表しているものです。当サイトで計算した比率・換算は、本文でその旨を書いています。確認日は2026年10月3日。
- 厚生労働省 令和7年賃金構造基本統計調査 第8表(役職別) 部長級635.8千円/課長級529.2千円/係長級399.2千円/非役職者310.5千円
- 同調査 主な用語の定義 所定内給与額は超過労働給与額を差し引いた額
- 同調査 結果の概況
- 国税庁 令和7年分 民間給与実態統計調査 給与所得者5,163万人/平均給与487万円/1,000万円超は6.6%
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外資系転職ガイドの記事一覧
一次情報の確認先
このページに書いたことは、以下の公的機関の公表情報で確かめています。制度は変わることがあるので、確かめた日を各所に書き、確認先も置いています。